目的と手段の交差の終着点ーネパールから


地球だより

 先日、ネパール人の友人から連絡先を聞いたのか、沖縄在住のネパール人女性から連絡があった。その女性が言うには、留学ビザで日本に滞在していたが、留学ビザの延長ができなかったので、他のビザへの切り替えをしたいが、どのような方法があるかという。

 コロナ事態による帰国待機は、半年のビザ延長が認められるはずが、彼女の場合、3カ月しか認められていなかった。彼女は多くの時間を労働に費やしており、前回までに2度の就労時間の超過があって留学ビザ延長が認められなかったのだ。

 本来、学習が目的の留学ビザであるが、日本で就労できるということで、ブローカーに多額の金銭を払って日本に来ているというネパール人も多い。借金を払うためには、規定の労働時間を超過してでも働いてしまう。このため、今後のビザの延長はできなくなり、帰国せざるを得ない状態になったわけである。

 ちなみに、昨年から新たな就労ビザとして特定技能ビザが加わったので、就労目的で日本を目指すネパール人はこちらのビザ取得をしていれば、このような事態も、もう少し防げるのではないだろうかと思う。

 だが、新しいビザ制度があることも、まだまだ一般のネパール人には伝わっておらず、既得権者が情報弱者を食い物にしている側面も依然としてあるのではないかと考えさせられる。

(T)