オリーブ畑でのんびりーイスラエルから
地球だより
イスラエルでは例年10月に雨が降り始め夏の終わりを告げるが、今年は11月に入ってからようやく雨が降りだした。
この時期は、オリーブの収穫時期であり、アラブ地域では、収穫したオリーブの実や絞ったばかりのオリーブオイルを道端に積み上げて商売をするアラブ人をあちらこちらで見掛ける。
収穫後のオリーブ畑に行ってみないかとアラブ人の友人から誘われ、次の日の朝、友人の奥さんが用意してくれた食料や飲み物を車に積み込み畑に向かった。
アスファルト舗装の道路から乗用車ではとても進めないようなゴツゴツした岩肌の道に入った。友人が急に車を止めたので、どうしたのか聞くと、路上に亀がいるという。岩と同色で私には見えなかった。心優しい友人はその亀を拾い上げ、車にひかれないように道の外の草むらに放してあげた。
オリーブを収穫している風景を楽しみながら道を進むと、途中で前方からやって来る牛の群れに出くわした。ここでは必然的に牛優先だ。牛が通り過ぎるまで待たなければならなかった。
車に揺られながらようやくオリーブ畑にたどり着いた。友人は5年前に苗を50本植えたが、どこからか山羊(やぎ)が来てオリーブの葉を食べてしまい25本だけ残ったという。
強い日差しの下で、人の背丈ほどの木の剪定(せんてい)を1本終えるごとに木陰で休憩し、コーヒーを飲んだり、サンドイッチを食べたりしながら、友人と2人でのんびりと過ごした1日だった。
(M)