飲んべえも「コロナ禁酒」


地球だより

 タイでは、日ごとの新型コロナウイルス感染者数が一桁台に落ち着いてきて規制緩和され、ゴルフ場が再開し、レストランなどで飲食も可能となった。ただし、レストランや酒場での飲酒は不可とされ、持ち帰り分のみの販売が可能となった。

 コンビニでの酒販売も解禁された。タイはコンビニ社会だ。酒販売も、酒屋というのは存在せず、スーパーや全国に約1万2000店あるコンビニがもっぱら販売を担う。

 タイでは、このコンビニでの酒販売禁止が一番こたえたという人は少なくない。酒販売が禁止されるのは選挙の投票日だけで、頻繁にある代物ではない。それが新型コロナの影響で、禁酒に近い状況を強いられるような事態になったのだから、酒好きにはきつかった。

 ただ、この今回の酒販売解禁も試験的措置でしかなく、飲酒が感染拡大につながると判断されれば再び販売禁止措置が取られることになると当局は警告している。

 イスラム教ほどではないが、仏教も酒には厳しい。仏教には五戒の一つに不飲酒戒があり穀物酒であれ果実酒であれ、どのような酒も飲むことを戒めている。僧侶に関しては戒めではなく、ご法度だ。「コロナ禁酒」は「酒に酔うと親密な行為が増える」との危惧から「3密」回避策として打ち出された経緯があるが、解禁日には客が殺到、その混雑ぶりからコロナ感染の温床になりかねないと懸念の声も上がっている。

(T)