無謀な運転に要注意


地球だより

 米国では、強引な割り込みなど危険な運転をするドライバーが多く、常に気が抜けない。

 最近、妻が運転中に目の前で接触事故を目撃した。道路工事のため車線が一つ減る時に、強引に車線変更して割り込んだ車が隣の車に衝突した。

 道路工事で車線が減ることを示す標識は100㍍前にあったが、割り込んだ車は少しでも先に進もうと考えたのか、ぎりぎりまで車線変更をしなかった。ぶつけられた方の車も、なんとしても入れまいと直進し続け、双方が譲らなかった結果、衝突してしまったということだ。

 これに限らず、マナーの悪い運転を見かけることが多い。朝の混雑時、信号前の直進専用レーンが混んでいると、空いている左折専用レーンに入って追い抜いてから、直前で割り込む車も多く、驚かされる。

 米国では、運転を家族や友人らから教わることが一般的で、日本のように教習所で何十時間も費やし、基本を一から身に付けるわけではない。その結果、無謀な運転をする人が少なくない。

 知り合いの米国人男性に危険なドライバーが多いという話をすると、「ディフェンシブドライビング(防御運転)」を心掛けることだと教えられた。米国で考案された用語で、周りの車が「法律やマナーを守らない」ということを常に想定し、車間距離を十分に取るなど余裕を持って運転するという考え方だ。

 米国では犯罪に巻き込まれないように「自分の身は自分で守る」ということが大切だが、この心掛けは運転する際にも必要となる。

 (Y)