驚くばかりの学校生活


地球だより

 ブラジルを代表するスポーツと言えば、日本では間違いなくサッカーという答えが返ってきそうだが、サッカーに劣らず人気があるのがバレーボールだ。

 記者の娘もブラジルの地元高校でバレーボールをやっていて、さまざまな大会に出ているのだが、練習を初めて見に行って驚いたのがそのスパルタぶりだ。

 記者は日本の中高校の厳しい部活指導を経験した世代。一方、娘が通うブラジルの高校は理系であるため、さすがに日本ほどではないだろうと思い込んでいた。

 ところが、練習コートから聞こえてくるのは、驚くほど厳しい監督やコーチの叱咤(しった)の声。練習内容もまさにスパルタそのもので、当初の予想が覆された。

 その後、試合を応援に行くこともあったのだが、監督の厳しさは練習以上で、コート上の選手たちも真剣そのものだった。

 だが、生徒たちによると、練習の外ではとても優しくフレンドリーな監督で、試合に勝てば、監督のおごりで食事に行くこともまれではないという。

 昨年最後の大会では、全国大会出場が懸かる試合を落とし、監督を中心に泣き崩れた選手たちの姿に思わずもらい泣きしてしまった。スポーツに懸ける思いは、世界共通なのだということを強く思う体験となった。

 練習や試合での厳しさ以外に日本と違うのは、選手たちの身だしなみが自由なことだ。進学校に近い学校なのだが、女子生徒の中には髪の色をピンクや紫、果ては緑に染めている子もいる。学校にピアスをしていくことも普通なのだとか。

 制服を着ていれば、あとは自由なのだというが、詰め襟と坊主頭で中高を過ごした記者には、驚くばかりだ。

(S)