ホリデーシーズンに集団食中毒


地球だより

 クリスマスのホリデーシーズン真っただ中のフィリピンで、大規模な集団食中毒が相次いだ。

 マニラ首都圏近郊のラグナ州では、パーティーで振る舞われた「ランバノグ」と呼ばれるココナッツ蒸留酒を飲んだ人々が次々と体調不良を訴え、少なくとも12人が死亡し489人以上が入院する騒ぎとなった。

 警察が被害者たちが飲んだランバノグを調べたところ、高いメタノールの含有が確認され、製造段階でのミスや混入が疑われている。これを受けて州当局は、ランバノグの販売を全面的に禁止することを命じた。

 一方、ミンダナオ島のコタバト州では、クリスマスパーティーで食事をした人々が次々と腹痛を訴えて病院に運ばれ、1人が死亡し118人が入院した。何の食べ物が原因かは分かっていないが、残り物を家に持ち帰った人々がいて被害が拡大したようだ。

 いずれの食中毒も被害者の多さという点から、いかにフィリピンのクリスマスが盛大に祝われるかよく分かる。その一方で杜撰(ずさん)な衛生管理も浮き彫りとなった。

 フィリピンではクリスマスシーズンに限らず、誕生日パーティーでの食中毒のニュースをよく聞く。気温が高く大量の作り置きが腐ってしまうことが原因だろう。特にエアコンがない場所で行われる庶民的なホームパーティーに招かれた場合は、食べ物に注意したほうがいいかもしれない。

(F)