大藏 雄之助
原子力発電の継続を求める
評論家 大藏 雄之助 規制委安全審査で運営 遺憾な高浜差し止め仮処分 「3・11」と呼ばれる東日本大震災の大災害から5年が過ぎた。前回が昭和8年(1933年)3月3日の三陸地震だから78年ぶりであった。まさに寺田寅彦の…
安保法制国会の終了に思う
評論家 大藏 雄之助 物理的妨害ない英議会 デモに60年安保の熱気なし 安倍内閣念願の安保体制は新しい段階に入った。世論調査では国民の大多数がまだこれに反対しているという。国会の審議を通じてこの問題の疑問点が十分に解明…
敗戦後を問い直した江藤淳
評論家 大藏 雄之助 米軍占領に疑問を提起 事実の違い左右問わず批判 今年は戦後70年のほかにも、いろいろな出来事の節目に当たっているために、安倍首相が戦後レジームの脱却として主導している、わが国の安全保障問題をはじめ…
ツケが回る大学再編の動き
評論家 大藏 雄之助 柔軟な戦前制度に倣え 教育に占領軍「勧告」の弊害 文部科学省が国立大学に関して次々に通達や提言を行っている。 まず5月に、86の国立大学に対して「世界最高水準の教育研究」、「特定分野で世界的な教…
マイナンバーの導入に思う
評論家 大藏 雄之助 情報漏洩防止の徹底を 隔世のグリーンカード騒動 このところ毎日のように「マイナンバー」についての解説がテレビ・新聞・ラジオで報じられている。なんでも今年の10月5日から政府は全国民に「1人に一つ」…
両陛下パラオ御訪問に思う
評論家 大藏 雄之助 戦禍の彼方に捧ぐ慰霊 激戦地跡に残る遺骨や兵器 1931年9月の満洲事変直後に生まれた私にとって戦争は忘れることのできない記憶である。第2次世界大戦に関連するノンフィクションを幾つも書いてきたし、…
国家形成を目指すクルド族
評論家 大藏 雄之助 IS駆逐で大同団結か 中東に散る3000万民族 40年ほど以前、私がソ連の特派員をしていた時、国際会議でイスタンブールを訪れて、予定よりも滞在を延ばしたためにモスクワへ戻れなくなった。やむを得ず、…
1票格差と選挙制度に思う
評論家 大藏 雄之助 公平なドイツ式併用制 納得いかぬ衆院の比例復活 昨年11月26日、最高裁大法廷が平成25年の参議院選挙の1票の格差について「違憲状態」と判決した。「当該選挙区の投票無効」の少数意見もあったが、もし…
ジャーナリズムは日々の記録
評論家 大藏雄之助 今から百年近く前にアメリカの著名なジャーナリストのウォルター・リップマンが書いた“Public Opinion”(世論)という本に次のようなエピソードがある。 十九世紀の終わりごろから大西洋のあた…
北方領土問題に唱える異見
評論家 大藏 雄之助 対露理解が必要な日本 ウクライナ問題に独自性を 林子平は蝦夷(えぞ)・千島付近にロシアが出没するのを憂えて天明7年(1787)に『海国兵談』の第一巻を出版し、「江戸の日本橋より唐、阿蘭陀迄境なしの…