コパ・アメリカの熱気に触れて
地球だより
南米サッカーの祭典「コパ・アメリカ」が7日、開催国ブラジルの優勝で閉幕した。南米は欧州に並ぶサッカーの本場でもあるだけに、今大会も数々の名勝負を生み出したが、現地で感じたのは南米のサッカーファンの「熱」だ。
強豪チリとの対戦となった日本代表の初戦当日、午後7時に始まる試合会場の下見を兼ねて、昼すぎにスタジアムに向かうと、道端ではすでに赤いシャツに身を包んだサポーターたちが陣取っていた。赤はチリ代表のチームカラーだ。
サポーターたちはチリ国旗をあちこちで広げながら、ビールを飲んだり会話を楽しんだりしている。南米のサッカーファンを見るたびに感じるのが、サッカーを人生の一部として楽しんでいることだ。
家族連れのサポーターに話を聞くと、「代表の応援と観光を兼ねてブラジルに1週間ほど滞在する予定」とのこと。もちろん、会社も学校も休んできているという。「学校の先生も代表を応援してこいと励ましてくれたよ」との言葉に納得してしまったのは、記者も南米に染まり過ぎたということか。
試合が始まる数時間前には、数千人を超えるサポーターが太鼓や笛を鳴らして気勢を上げる。南米サッカーに慣れない人であれば、不安に感じてもおかしくないほどの雰囲気だ。
日本人にとっては完全なアウェー。しかし、自国代表を応援し、サッカーを愛する熱気に包まれる心地良さを感じた。日本からはあまりにも遠いが、多くの人に一度はその「熱」を体験してもらいたい。
(S)