ヘイリー米国連大使辞任へ


 トランプ米大統領は9日、ホワイトハウスで、ニッキー・ヘイリー国連大使が年末で退任すると発表した。後任には、今年2月まで大統領副補佐官(国家安全保障担当)を務めていたディナ・パウエル氏らが候補に挙がっていると述べた。

ヘイリー米国連大使

9日、ホワイトハウスを訪れたヘイリー米国連大使(AFP時事)

 ヘイリー氏は、インド系で、元サウスカロライナ州知事。2016年11月に米国連大使に指名された。北朝鮮制裁を強化する国連安保理決議を主導したほか、イランへの強硬策を進めたりイスラエルの米大使館のエルサレム移転を支持するなどトランプ氏の外交を支えてきた。

 トランプ氏は、ヘイリー氏について、記者団に「特別な存在」だと評価し、「われわれは共に素晴らしい仕事をした。これまでにたくさんの問題を解決し、今も解決しているところだ」と指摘。辞任の意向については約6カ月前に告げられていたとし、ヘイリー氏とは良好な関係であることを強調した。

 同席したヘイリー氏は、州知事時代も含め8年間公職を務めたと述べ、「政府の役職に就く者は、引き際をわきまえることが非常に重要だ」と辞任の理由を説明。中間選挙まで1カ月を切るタイミングで発表されたことについてさまざまな臆測が上がっているが、取りざたされている20年の大統領選への出馬の可能性は否定し、トランプ氏の再選を支援するとした。

 トランプ氏は後任を2、3週間以内に発表すると表明。現在はゴールドマン・サックスの役員を務めるパウエル氏や駐ドイツ大使のリチャード・グレネル氏が候補に挙がっているという。一方、トランプ氏の長女イバンカ補佐官が挙がっているとの一部報道については、「素晴らしいが、身内びいきと批判されるだろう」と述べ、否定的な考えを示した。

(ワシントン山崎洋介)