国民食的なドーナツ
地球だより
米国に赴任して半年ほど経(た)つが、こちらに「ドーナツの日」という記念日があることを知った。この日は、多くの専門店やスーパーなどでドーナツが無料で配られたり、割引になったりする。毎年、6月最初の金曜日で今年は1日だった。
この日は各局の朝のテレビ番組でもこのドーナツの日が取り上げられ、出演者が声を弾ませながらトレーに載った色とりどりのドーナツを試食していた。朝8時半ごろに近所のドーナツチェーン店を覗(のぞ)くと、親子連れなどで賑(にぎ)わっていて、店員たちも忙しそうにしていた。
米国のドーナツは妻も気に入っていて、日本にいる時よりも食べる機会が増えた。同じスイーツでも、こちらのケーキは青や緑といった奇抜な色使いな上、味もいまひとつなのに比べ、ドーナツは日本よりも食べ応えがあり、値段も安い。
この記念日の由来は、第1次世界大戦で救世軍の女性たちが戦場の兵士に家庭の雰囲気を感じてもらおうと、ドーナツを提供したことからきている。これが話題となり、後にこのエピソードが映画や歌にも取り上げられた。当時も今も、ドーナツは国民食的なスイーツとして、米国人に親しまれている。
(Y)