税関職員が密輸幇助
地球だより
何かと悪評が尽きないマニラのニノイ・アキノ国際空港で、今度は密輸未遂があり関与していた税関職員が逮捕された。
密輸の手口は海外から手荷物で持ち込まれた宝飾品を、税関職員が空港内で受け取って手荷物検査を通り抜けるというもの。容疑者の税関職員はドバイから到着したカップルからセカンドバッグを受け取り、真っすぐに出口に向かったところを不審に思った警備員に阻止され犯行が明るみとなった。セカンドバッグには約2キロもの600万ペソ(約630万円)相当の金製アクセサリーが入っていたという。
逮捕された税関職員は、宝飾品事業の促進という名目で頻繁にドバイとマニラを行き来しており、密輸シンジケートとの関連も指摘されている。この密輸シンジケートはテロリストの資金源になっている可能性もあるという。また、税関職員にセカンドバッグを渡したカップルは、2014年以降にドバイとバンコクを少なくとも133回も行き来していたことが分かっている。密輸で得た莫大な資金がテロリストに流れている可能性もあるとみて、当局が捜査を続けている。
腐敗役人の一掃を掲げているドゥテルテ政権だが、依然として汚職が横行しているのが実態だ。麻薬戦争で強権ぶりを発揮しているドゥテルテ大統領も、汚職の根深さには手を焼いている印象だ。
(F)