大荒れのサンダース支持者
地球だより
米大統領選の共和、民主両党の全国大会を取材するため、オハイオ州クリーブランドとペンシルベニア州フィラデルフィアを訪れた。通常の党大会は大きな混乱もなく、党の結束を確認することがほとんどだが、今年は様相が違った。
特に民主党大会はバーニー・サンダース上院議員の支持者が大会会場に併設されているプレスセンターにまで乱入するなど、現場は一時騒然となった。党幹部がヒラリー・クリントン前国務長官に肩入れしていた内容のメールが大会直前に流出したことで一波乱あるだろうと想像していたが、それ以上の混乱ぶりだったといえる。
さらにサンダース支持者らはこの日から連日、プレスセンターに出入りするように。大声で騒ぎ合ったり、勝手に抗議集会を始めたりとやりたい放題だった。
これまで日本メディアではあまり報じられてこなかったが、サンダース支持者は予備選・党員集会でたびたび暴徒化するなど問題視されていた。彼らの主張を聞くために、あるサンダース支持者の代議員に話を聞くと、「民主党は党名に『民主』と入っているが、民主主義ではない。民主主義とはこういう声だ」との返事が返ってきた。
多数決で決まった内容に対して、反発して暴徒化した人をなだめるために主張を認めるのが民主主義なのか。そうした疑問と同時に、彼らの主張する「民主主義」に危うさを感じた。
(Y)