文房具購入は免税日に
地球だより
米国では8月になると、小売業最大手の「ウォルマート」や事務用品販売大手「ステープルズ」などで学校必需品が書かれたリストを手に、商品を探す親子の姿をよく見かける。9月の新年度までに、指定された1年分の文房具や必需品をそろえなければならないためだ。
各学校から配布される必需品購入リストは、学校や学年ごとに異なる上に、メーカーや商品名まで指定されていることが多くて複雑。そのため毎年、商品が見つかるまでリストとにらめっこしながら、親子でいろいろな店を探し回ることになる。
そんな8月の風景だが、州によっては特定の数日間だけ文房具を買いに出掛ける親子がいっそう多くなる。売上税が免除される「セールス・タックス・ホリデー」(STH)の日だ。
免税と言ってもすべての商品が対象ではなく、品物や上限の規定がある。
米税務管理者連盟によると、最初のSTHは1996年にニューヨーク州で実験的に導入された。その後、2000年代に入ってから幾つかの州が取り入れるようになり、現在までに全米で18の州が導入している。新学期のために、ほとんどの州が学校必需品を免税商品にした上で、8月に設定しているのも特徴だ。
もともとは、個人消費を増やすことで経済活性化や雇用創出などを狙って制定されたという。ただ、効果は疑問視されていて、今では学校必需品を安く購入したい親にありがたい日、という認識になっている。
(Y)