いいことずくめの季節


地球だより

 フィリピンでは昨年末から涼しい気候が続いている。外に出るだけで汗が吹き出す、サウナのような南国の暑さがすっかり影を潜め、まるで違う国に住んでいるかのような錯覚に陥る。

 マニラ首都圏でも夜になると20度前半まで気温が下がり、朝方になると20度を切ることも多い。避暑地で知られるバギオでは10度を切る寒さを記録し、もはや東京の気温と変わらない。ネットリと肌にまとわりつく、あの湿度がないのが何より快適だ。

 この涼しさのおかげでわが家の電気代は夏季の半額にまで下がった。既に1カ月以上、エアコンのスイッチもオフになったままで、高い電気代を気にしながら使っていた日々がうそのようだ。

 億劫(おっくう)だった外出も増え、今までタクシーを使っていたスーパーへの買い出しも徒歩で行くようになった。距離的には徒歩圏内でも、目的地に着いて汗だくになると、エアコンの冷風で体調を崩すことが多く、暑い時期はタクシーでの移動が必然的に多くなる。涼しい気候のおかげで運動不足も解消でき、タクシー代も節約できて、いいことずくめである。このくらいの気温が一年を通して続けば、どれだけ快適なことか…。

 フィリピン気象庁によると、この涼しい気候は3月ごろまで続くそうだ。しかし、いずれ訪れる夏季のあの暑さを想像するだけで、既にウンザリしている自分がいる。来るべき運動不足に備え、今のうち歩く時間を増やし体重をもっと絞ろうと思うきょうこのごろだ。

(F)