まるで犯罪集団
地球だより
これまでもフィリピン警察の腐敗はよく知られていたが、このところ特に悪質なケースが相次ぎ、もはや犯罪集団の様相を呈している。
今月初めに首都圏の幹線道路で、銃を持った男たちが1台の乗用車を取り囲み、乗っていた男性を連れ去る様子を複数の市民が目撃。その時、撮影された写真がツイッターに投稿されて注目を集め、警察が捜査に乗り出した。そして写真の車を手掛かりに犯人が警官であることを突き止め、少なくとも10人以上の警官が関与していたことが発覚。拉致された市民が所持していた、多額の現金を狙った犯行であることが分かった。
さらにこの事件の後も、中国人男性が3人の警官に誘拐される事件があった。幸いこの男性は途中で逃げ出すことに成功しているが、こちらも多額の身代金を要求されたと証言している。
確かにこれらの犯行は一部の警官によるもので、ほとんどの警官は真面目に働いているのかもしれない。
しかし問題なのは、これだけ大胆な犯行を公衆の面前で、堂々と実行しているということだ。つまり犯行に関与している警官自身が、警察に逮捕する能力がないことをよく知っているのだ。
職務を放棄して犯罪者と化し、市民を襲う警官たち。犯罪被害に遭った多くの市民が、警察に通報しない理由がよく分かる。
(F)