【社説】中露連携強化 身勝手な両国に強い対応を


中露首脳が会談、NATOの拡大反対で一致

中国の習近平国家主席(右)とロシアのプーチン大統領

 権威主義的体制を保持する中国とロシアが、米国に対抗して結束を強めている。日米などの民主主義陣営は連携を強化して中露に強く対応することが求められる。

 首脳会談で対米共闘誇示

 中国の習近平国家主席は北京冬季五輪の開会に先立ち、ロシアのプーチン大統領と会談し、中露の友好関係に制限はなく、「タブーもない」と宣言した。両国は協力、友好関係の拡大に戦略的利害の一致を見いだしていると言えよう。

 問題は、共同声明で北大西洋条約機構(NATO)拡大に反対の立場を表明したことだ。ロシアはNATO加盟を目指すウクライナに軍事圧力を掛け、加盟を阻止しようとしている。

 しかしウクライナは独立国家であり、自国の安全保障体制を選ぶ権利がある。ロシアの脅しは、こうした権利の侵害にほかならない。

 中国がこれに同調したのは、ロシアとの共闘を誇示して米国を中心とする民主主義陣営に対抗する狙いがあろう。中国は、新疆ウイグル自治区での人権侵害や東・南シナ海への強引な海洋進出などで米欧から批判を浴び、北京五輪でも米国と同盟国による「外交ボイコット」に直面した。

 ロシアも共同声明で、中国が統一を目指す台湾の独立に反対する立場を明らかにした。共同声明は、米国、英国、オーストラリアによる安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」についても「深刻な懸念」を抱いていると表明するなど、対中包囲網への警戒も盛り込まれた。

 ロシアがウクライナに侵攻して欧州向け供給が途絶えることが懸念されている天然ガスに関しても、首脳会談では中国に年間100億立方㍍を追加供給することで合意した。米国による制裁を受けている極東のサハリン沖から輸出するとの見方も出ている。

 中国とロシアは中央アジアで影響力を競うなど、必ずしも一枚岩ではなく、当面は同盟関係にならないと言われている。だが、両国関係の緊密化は否定し難い。それは、昨年6月のオンラインによる首脳会談で善隣友好協力条約の延長に合意したことにも表れている。

 中露は昨年12月、バイデン米大統領が主宰したオンライン形式の「民主主義サミット」から排除された。権威主義的体制を保持し、身勝手な行動を繰り返す両国が、サミットに招待されないのは当然だ。バイデン氏は両国を念頭に「独裁者たちは世界中で影響力の拡大を目指し、抑圧的な政策の正当化を図っている」と非難した。

 国際秩序を脅かすな

 日米豪とインドの4カ国(通称クアッド)の外相が会談を行い、林芳正外相は中国が東・南シナ海で進める一方的な現状変更の試みに「深刻な懸念」を表明。台湾情勢についても「台湾海峡の平和と安定が重要だ」と指摘した。

 一方、ブリンケン米国務長官はウクライナ情勢に関し「ロシアの危険な行動は国際規範への挑戦だ」と批判した。民主主義陣営は台湾やウクライナの情勢を念頭に、国際秩序を脅かす中露への対応を強化すべきだ。