【上昇気流】北京冬季五輪の開会式で聖火リレーの最終走者の一人が無名のウイグル人女子選手だった


北京冬季五輪

 北京冬季五輪の開会式で聖火リレーの最終走者の一人が無名のウイグル人女子選手だった。これには世界中が驚いた。ウイグル人は中国共産党政権による「ジェノサイド(集団虐殺)」のただ中に置かれている。それを敢(あ)えて起用し「融和」を演出する意図が丸見えで「ジェノサイド五輪」を逆に印象付けた。

 聖火点灯は開会式の最大のセレモニーだ。4年前の平昌冬季五輪では2010年バンクーバー冬季五輪のフィギュアスケート女子金メダリストの金妍児さん、昨年の東京五輪では世界を舞台に活躍するテニス女子の大坂なおみさんが行った。いずれも五輪開会を飾る人選だろう。

 00年のシドニー五輪が忘れられない。オーストラリアの先住民アボリジニの陸上女子キャシー・フリーマンさんが聖火を灯(とも)し、競技では400㍍決勝で劇的優勝を遂げた。豪州国旗とアボリジニの旗の二つを手にウイニングランを行い、豪州の人々を熱狂させた。

 同国は長く白豪主義の人種差別政策を取り、アボリジニは親子隔離を強いられるなど厳しい迫害にさらされてきた。それだけにフリーマンさんは「豪州人は一つ」との希望を社会に与えた。

 これが本当の融和というものだ。北京の方は嘘(うそ)っぱち。豪州が共産中国に厳しく対峙(たいじ)する理由はここにもある。

 最終走者のウイグル人選手に罪はないが、中国共産党政権は彼女に非難の目を注がせる「二重の苦しみ」を与えている。何と邪悪な政権だろうか。