「体制安全保証」実現を不安視する金正恩氏
韓国紙セゲイルボ
第2回南北首脳会談の翌日の27日、文在寅大統領は、「金正恩労働党委員長にとって明らかでないのは非核化の意思でなく、自分たちが非核化する場合、米国が敵対関係を終結させて、体制安全を保証するということを確実に信頼できるのかということ」だと説明した。
金委員長がこの“電撃会談”で初めて出した話ではなく、1回目会談での「徒歩橋散歩」でも似たような対話がなされたのだろう。
想像するに、非核化を前提に朝米首脳会談のテーブルに座れとの文大統領の説得に金委員長は、「トランプ大統領は信じるに足るか。体制安全を確かに保証するだろうか」と聞いたのだろう。
2度も平壌でマイク・ポンペオ米国務長官に会い、トランプ大統領からシンガポール会談の日程を受け取っても、金正恩氏の心配は解消しなかった。
根底にあるのは“リビアモデル”に対する反発だ。核開発の初期段階であったリビアと、すでに核を保有した北朝鮮を“同等”に扱うこはできないが、カダフィ氏のような“凄惨(せいさん)な末路”に対する不安が拭えないのだ。
だが、トランプ大統領は“リビアモデル”でなく“トランプ方式”を選ぶつもりだという。曲折を経た折衝で勝機はトランプ大統領が握っている。“完全で検証可能かつ不可逆的な非核化”(CVID)を実現し、金委員長に“完全で検証可能かつ不可逆的な体制保証”(CVIG)を約束するだろうか。
カダフィの“悲劇的な最期”は核放棄のためでなく、2011年の“アラブの春”で始まった民衆蜂起と内戦によるものだった。金正恩のCVIGはむしろ北朝鮮住民たちに懸かっている。
(黄政美編集人、5月30日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。