危機にある韓半島信頼プロセス


韓国紙セゲイルボ

まず韓日関係を改善せよ

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11月23日、北朝鮮による延坪島砲撃から3年を迎え、ソウルで北朝鮮の旗や金正恩第1書記の人形を焼いて抗議する市民(AFP=時事)

 朴槿恵大統領は1年前の大統領選挙で外交安保分野の核心公約として「韓半島信頼プロセス」と「北東アジア平和協力構想」を提示した。朴大統領は約1年、この二つの政策を韓半島と北東アジアの現実に適用するため、あちこちで努力してきた。

 朴大統領は首脳外交で、これらの政策に対する大多数の国の支持を引き出したが、本来核心利害当事者である北朝鮮と日本の非協調的態度のせいで、韓半島と北東アジア情勢は就任前より、一層不透明になったという評価を受けている。

 朴槿恵政府は南北間の不信が南北関係の進展を遮っていると診断した。従って、この深刻な信頼欠乏を改善するために南北が信頼を積む措置を取りつつ、関係を発展させていかなければならないと強調する。

 だが、徐輔赫(ソボヒョク)ソウル大統一平和研究院教授は、「この10カ月間、南北間には信頼よりは不信が、平和よりは対決が増大し、統一基盤造成とは程遠い現実になっている」とし、「韓半島信頼プロセスが作動していない」と診断した。

 これは政府の信頼プロセスが当初の出発点と違い「信頼できる相手とだけ対話する」という方向に変質したためだ。北朝鮮が先に変わらない限り、対話しないという姿勢なのだ。

 同時に韓米中3国協力を基盤に、対北朝鮮説得と圧迫を高めて、態度変化を引き出すという戦略を併行しているが、これも限界がある。金漢権(キムハングォン)峨山政策研究院専任研究員は、「(政府当局者は)圧迫を高めれば、相手が態度を変えると思っているようだが、中朝関係はそのような理論を適用しにくい。中国の対北圧力は北が崩壊するほど圧迫しないという限界の中で加えられるもので、北朝鮮もこれをよく分かっている」と分析している。

 世界史の中心舞台がアジア・太平洋に移動している。特に中国、日本、韓国がその核心地域に挙げられる。だが、これら3国の経済的相互依存度が高まったにもかかわらず、国家間の外交安保関係は深刻な葛藤状態に置かれている。

 日本とは過去の歴史・領土葛藤が深くなり、韓日両国で新政権がスタートしたが、首脳会談さえ開催できないほど冷却した関係だ。その上に中国とは比較的友好的関係だったが、最近、中国の一方的な防空識別圏設定で亀裂が露出した。08年以後、毎年開催してきた韓中日3国首脳会議は今年開かれず、来年の開催も不透明だ。

 北東アジア平和構築過程で、韓国が役割を果たすためには、まず韓日関係から改善しなければならないという声が高い。匿名の外交官は、「今年、韓国政府は二つの政策を具体化するための措置を出せないまま、ただ概念提示で終わった。来年からは(日韓首脳会談など)顕著な成果を出さなくてはならない」と指摘した。

(金桐鎮〈キムドンジン〉・キム・ミンソ記者、12月13日付)