南北高官級会談に見る北の前例にない瞬発力


韓国紙セゲイルボ

 9日、板門店平和の家で南北高位級会談が約2年ぶりに開かれる。北朝鮮の金正恩労働党委員長が新年の辞で、平昌冬季オリンピック参加と南北会談再開の用意を明らかにした後、想像以上のスピードで推進された。前例にない瞬発力だ。

 会談では北朝鮮の平昌五輪参加と南北関係懸案が議論される。だが、平昌以外はどれ一つとして簡単な懸案ではない。「核武力完成」宣言後だけに北は以前とは明確に違う態度を見せるだろう。その変化を調べる機会となる。

 金委員長の新年の辞から、北朝鮮は周到に動いている。韓国はそれに見合った対処をしなければならないが、南北会談が北の意図に引きずられたり、決裂すれば、韓半島の安保情勢に暗雲を呼ぶだろう。

 だから今回の会談では北朝鮮の平昌参加に集中し、他の懸案に対しては相手方の意見を傾聴した後、後続会談開催に合意するのが望ましい。

 政府が北朝鮮の核問題に断固たる立場を堅持することが最も大きい課題だ。文在寅大統領は先週、「過去のように柔弱に対話だけ追求しない」と述べた。これが韓国代表団が南北会談に臨む姿勢でなければならない。

 何を言うのかでなく何をするかが重要だ。それを定めてこそ原則を確立し、政策の実効性と一貫性を高めることができる。北の平昌五輪参加を契機に韓半島非核化へ向かう出口を掴(つか)もうとするなら必ずそうすべきだ。

(朴完奎(パクワンギュ)首席論説委員、1月9日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。