韓中首脳会談で誤ったメッセージ与えるな


韓国紙セゲイルボ

 文在寅大統領の訪中で重要なのは、北朝鮮の核問題解決に対する共感形成だ。両政府はひとまず北核問題の平和的解決を最終目標にする点で一致している。これを目標に中国が積極的に行動し、北朝鮮を交渉テーブルに導く手段としての強力な制裁と圧迫を確実に実行しなければならないことを積極的に念押しすべきだろう。

 北核事態の悪化は中国の“戦略的資産である北朝鮮”の擁護よりも、中国の国益をさらに深刻に阻害する懸案であることを明確に強調する必要がある。

 また、サードを契機とした中国の韓国に対する経済報復(いわゆる「限韓令」)は世界貿易機構(WTO)の慣例に外れるだけでなく、軍事安保的問題を経済で解決しようとするという悪い先例を残した。結局、中国は報復ではサードを撤回させることもできなかったし、韓米協力体制を崩すこともできず、ただ自分の国家イメージを損傷させただけだった。

 北核事態は五里霧中だ。ヘイリー駐国連米国大使は、「北朝鮮の脅威により平昌冬季五輪参加は相変わらず不明」と言及し、北朝鮮外務省は「戦争を避けない」という脅しをかけている。平昌五輪を平和の祭典にしようとする韓国政府にはもう一つの試練となる。

 この脅しを意識し過ぎて、中国に誤ったメッセージを与えてはならない。明らかな立場を持って真剣に中国を説得し、首脳間の信頼を構築する会談になることを期待する。

(康埈榮(カンジュンヨン)韓国外国語大教授、12月9日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。