“韓米FTA危機”への積極的な対応が必要


韓国紙セゲイルボ

 最近、トランプ米大統領が韓米自由貿易協定(FTA)の廃棄を議論し、協定発効5年にして韓米FTAは深刻な危機に直面している。万一、韓米FTAが廃棄される場合、両国間で貿易戦争が深化し、貿易が減少するのはもちろん、生産および輸出業者と消費者もまた大きな損失を被る。

 このような経済的衝撃の他に外交と安保の側面でも韓米FTAは重要だ。すべての国は自国の経済的利益が存在する所に外交力を集中させる。また自国民の投資が多い国の安保に大きな関心を持つ。

 韓米FTAは両国間の経済的問題でもあるが、外交安保問題とも密接な関係がある。北朝鮮の核問題に直面している韓国の安保はもちろん、米国の東アジア地域安保戦略にも大きい影響を及ぼすことになるのだ。

 このような重要性を勘案すれば、韓国政府はFTA再協議で米国貿易赤字の原因を把握するなどの消極的な戦略よりは、もう少し積極的な対応戦略を樹立する必要がある。再協議で韓国の立場をもう少し積極的に陳述しなければならない。

 さまざまな衝撃が同時に来ている今、政府は積極的な対応で危機を打開していかなければならない。韓米FTA再協議を成功させることによって、韓国の経済と安保を安定させなければならない。韓米FTA交渉チームの賢い政策選択がかつてなく必要な時だ。

(金正湜(キムジョンシク)延世大教授・経済学、9月5日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。