北朝鮮の核問題解決に対策のない国際社会


韓国紙セゲイルボ

 北朝鮮核問題の底が見えない。北の最大関心は金正恩(キムジョンウン)政権の生存だ。政権維持のために核開発を放棄せず、統治資金を確保するために全力をふりしぼる。

 中国は北朝鮮が核兵器を保有することを願わないものの、政権が崩壊して北朝鮮という戦略的緩衝地を失うよりは、核を許す方が国益により有利だと判断している。それで北核解決法として“両中断”、つまり北の核・ミサイル開発と、韓米連合軍事訓練の同時中断を提案しているのだ。さらにサード(高高度防衛ミサイル)配備撤回も要求する。ロシアは中国支持だ。

 トランプ米政府は北核が米本土に直接的な脅威となった以上、どんな形態であれ対応しないわけにはいかなくなった。しかし解決策はない。中国の役割をこれ以上期待することも難しい。米財務部は北朝鮮と不法取引する中国の丹東銀行と企業などに対する制裁措置を取り始めたが、不法取引をするすべての銀行および企業などを制裁する“セカンダリーボイコット”を稼働しない限り、統治資金を遮断する効果を期待しにくく、中朝だけでなく米国でも経済的損失が予想される。北に対する軍事的打撃案は戦争拡大の可能性により、たやすく敢行できる対案とはならない。

 文在寅(ムンジェイン)政府は対話を通した平和的解決と南北交流協力事業の再開を提案したが、米国が“過酷な”報復を考慮している時点で、交流協力事業が再開されるかは疑問だ。

 トランプ政府がセカンダリーボイコットを完全に稼働し、韓米連合軍事訓練の強度と回数を増大させる軍事的措置を取る場合、積極的に参加する姿勢を見せることが北核解決法で対応無策にならない唯一の方案ではないかと考える。

(金宇祥(キムウサン)延世大教授、7月9日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。