疎通しない朴大統領、疎通する安倍首相


韓国紙セゲイルボ

 安倍晋三首相は朝、閣議を終えて執務室を出れば、入り口で待っている記者らの質問攻めに遭う。軽いインタビューでほぼ毎日行われる。また国家の重要な方針や懸案を説明するために記者会見や演説を月に何度も行う。加えて、国会で国政方針を明らかにし、野党の質問攻勢にも自身の考えを詳細に述べる。

 これだけではない。面会や行事も首相官邸ホームページに「首相の1日」として公開する。メディアも首相の1日を分単位で記録して紙面で報じる。

 菅義偉官房長官は1日に2回、午前と午後に定例会見を行う。これには事前に組まれた脚本はない。記者は国民を代理して知りたいことをさまざまな角度で質問し、官房長官は誠実に答える。会見は録画され、編集なしでそのままインターネットに公開される。

 安倍首相の考えと菅長官による政府方針が毎日2、3回メディアを通じて国民に伝えられるから、いわゆる「大統領の7時間」や「秘線実力者」の国政壟断のようなもので国力を消耗することはありえない。

 日本は敗戦以後、事実上自民党独走体制だ。これまで2度の短期間、他党に政権を渡したのを除けば長期政権を維持している。選挙制度を持っている民主国家でめったに類例を見ないほどだ。

 政権交代がほとんどない日本政治はいぶかしく思われるが、安倍首相とその内閣が活発にコミュニケーションする姿は参考にしたい。

(王玹喆(ワンヒョンチョル)KBSメディア監査・元東京特派員、11月18日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。