北のサイバーテロが横行しているのに…


韓国紙セゲイルボ

 北朝鮮の全方向サイバーテロが横行している。国家安保懸案を扱う外交・安保部署公務員のEメールとスマートフォンのハッキングはもちろんのこと、保健および産業施設に対するサイバー攻撃にまで拡大している。

 大統領府と閣僚クラスの要人に対する携帯ハッキングを試みたことが確認され、国内防衛産業関連企業と武器仲介業者を対象に防衛事業庁を詐称したハッキングEメールを発送し、軍当局が調査中だったこと等、今年だけで6件の大規模サイバーテロが発生した。

 情報当局は北朝鮮の偵察総局が対南サイバーテロのコントロールタワーであると把握し、単純なハッカー組織が各種機関・施設に対して無計画なサイバーテロを行っているのではなく、対外関係状況などを分析しながら、周到綿密な計画により、サイバーテロ挑発を敢行していると判断している。

 北朝鮮はよく知られている通り、毎年数百人のハッカーを養成し、偵察総局指揮下のサイバー戦指導局で最精鋭ハッカー約4000人が活動している。ヴィンセント・ブルックス在韓米軍司令官は、「北朝鮮のサイバー戦力は世界で最も優れ、よく組織された戦力の一つ」と評価したことがある。

 それに対して、韓国政府は昨年初、大統領府国家安保室を中心にサイバー安保コントロールタワー機能を強化したとしたが、政府の具体策とタワーの正常稼働が憂慮される状況だ。サイバー安保秘書官の席が1年もせずに交代させられ、サイバーテロに対応する法案も国会で審議さえできずにいるのだ。

 政府は法と制度の設立はもちろん社会的関心から広める努力が必要だ。

(趙倫英(チョユンヨン)中央大教授・国際政治学、8月5日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。