サード外交のジレンマ解くために必要なもの


韓国紙セゲイルボ

 サード(THAAD=高高度防衛ミサイル)は完全に防衛兵器で、韓半島と北東アジアの戦略的均衡を崩した北朝鮮の核・ミサイル攻撃脅威から韓国を防御するために必要なものだ。

 だがロシアと中国はサード配置に反対する。中国はサードの韓国配置が自国のミサイル能力発揮に制限を加え、サードのレーダーが中国本土の主要軍事施設の動きを手の内を覗(のぞ)くように見ることができるため、安保利益を害すると非難している。

 ロシアと中国の高高度防衛能力を見れば、ロシアは米国のサード体系と釣り合うS-300、S-400高高度防衛能力がある。中国は米国を凌駕すると自負するHQ-9、HQ-12高高度防衛能力がある。中露両国は米国のミサイルを高高度で防御できる対空ミサイル防御能力を備えているということだ。

 それでも韓国に配置するサードが北東アジアの戦略均衡を破るから、自分たちの安保利益を害していると主張する。

 サードをめぐる強大国間の論争は彼らの間の自尊心対決、未来の外交安保戦略の衝突であることが分かる。なのに、韓国では強大国の顔色を窺(うかが)い、対米関係で自主をとるか同盟をとるか、さらに北朝鮮の肩を持つかどうかのイデオロギー的論争に陥没している。

 いまやサードが韓国安保で必須要素と決めた以上、サードの科学技術的真実と韓国安保のための必須措置という点を中国とロシアに持続的に説得するしかない。そして、国民にはサード導入の不可避性をよく知らせ、国内外の信頼構築に乗り出すべきだ。

(韓庸燮(ハンヨンソプ)国防大安保大学院教授、7月15日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。