このところ日本との問題を別にしても、韓半島…


 このところ日本との問題を別にしても、韓半島南北をめぐる国際情勢に目を離せなくなってきた。韓国では4月の総選挙で与党セヌリ党が過半数を割る敗北を喫し、来年の大統領選挙に向け、国内政治が激しく揺れ動くことが避けられない。

 核実験や長距離弾道ミサイル発射などで周辺国への挑発をエスカレートさせる北朝鮮は、36年ぶりに開いた今月6日からの第7回朝鮮労働党大会で金正恩氏が改めて核保有国宣言をし、国際的孤立の中を突き進む構え。

 第1書記から新設の党委員長に就任し、3代世襲の“完成”も誇示した。そんな南北対峙の半島情勢をどう読んでいけばいいのか。小紙(13日付2面)掲載の「高永喆の半島NОW」は、独特の臭覚からの視点を示していて見落とせない。

 この4日に米国の国家情報局長がソウルを極秘で訪れ、米朝平和協定交渉を行う場合に韓国が譲歩できる範囲を打診したという。

 ここで高氏は「1973年、米国が北ベトナムと平和協定を締結したが、1975年、南ベトナム政府が北ベトナムの侵攻を受けて崩壊した先例」を示し、「ベトナムでの悲劇は韓半島でも繰り返される危険性がある」ことを米韓両国の当局者に警告する。

 北ベトナムとの平和協定を結んだ米国の政策ミスで「106万人の難民(ボートピープル)が発生、うち11万人が海上で命を失った」と。当時のキッシンジャー米国務長官も自身の回顧録で後悔を綴っている。