サード問題、超党派合意で中国説得を


国紙セゲイルボ

 中国は韓国の高高度防衛ミサイル(THAAD=サード)配置が中国を狙っているとして、米国が東アジア太平洋再均衡戦略の一つとして、韓国に中国を監視するレーダ網を敷いていると主張している。

 サードには2種類ある。終末モードと前方配置モードだ。韓国配置を考慮しているのは終末モードで、レーダー範囲は短距離である。なぜなら韓国が考慮するサードは北の核とミサイル脅威を全面的に防衛するもので、中国を狙ったものではないからだ。

 ところが韓国がサードを配置すれば、中国が韓国に経済制裁、軍事措置を取ることもあり得ると脅迫する事例も出ている。中国が北朝鮮に対して経済制裁すべき局面で、韓国に対する経済制裁とはとんでもない居直りだ。もし中国が対韓経済制裁を試みるなら、中国の国際的イメージは失墜し、経済にも否定的な影響を及ぼすことになるだろう。

 北の核・ミサイルは韓国の死活的安保利益がかかった問題だ。韓国は安保問題に対する超党派的な合意を持って中国を落ち着いて説得していかなければならない。韓国内が分裂すれば、中国の内政干渉と国論分裂策動に振り回されるということを肝に銘じなければならない。

 北核問題からサード問題へと焦点をずらそうとする中国あるいは北朝鮮の戦術に惑わされてもならない。韓中の共通目的である北朝鮮非核化を追求し、サードに関する差異点は静かに解決する沈着と冷静の美徳を要求しなければならないだろう。

(韓庸燮(ハンヨンソプ)国防大安保大学院教授・国際政治学、2月26日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。