「内乱陰謀」で審判台に立たされた統合進歩党


韓国紙セゲイルボを読む

 韓国政府は「内乱陰謀罪」で逮捕者(李石基〈イソッキ〉議員)を出した統合進歩党の目的や活動が憲法の民主的基本秩序に背反すると判断して、憲法裁判所に政党解散審判を請求し、同党の活動を停止する仮処分申請と、所属国会議員の議員職喪失も請求した。

 統進党は政府の審判請求が憲法に違反しており、民主主義を破壊する行為と激烈に反発している。

 今回の政府の審判請求で憲法裁は発足以来一度も扱わなかった政党解散審判を行うことになった。憲法裁がいかなる決定を出そうが、今後、政党の目的や活動が民主的基本秩序に背反するかを判断する試金石になるだろう。

 政府は統進党の綱領が北朝鮮の社会主義を追求して、民主的基本秩序に背反し、党の核心勢力である「革命組織(RO)」の活動も憲法秩序に背くと主張している。

 民主的法治国家で政党の違憲性を判断するのは政治的にも法的にも容易なことではない。政党が強制解散されるためには、その目的が民主的基本秩序に明白に背反し、活動により憲政秩序の核心に対する具体的な危険が客観的に存在しなければならない。

 一方で、北朝鮮の危険が今なお残る韓国の状況も考慮されなければならない。政党の目的や活動が北朝鮮に追従して、憲法秩序を破壊する試みが具体的であるならば、政党の違憲性は充たされる。

 今やボールは憲法裁の手にある。憲法裁は同事件を憲法によって厳正かつ速やかに処理しなければならない。憲法が政党の自由を保障するといっても、政党の目的と活動は憲法秩序内にあることは当然なことである。

(金サン謙〈キムサンギョム〉東国大教授、11月8日付)