米で眺めた激変期の韓国外交


韓国紙セゲイルボ

「対米中日」で既得権認識に成果

 8月には韓国を取り巻く情勢は激しく展開した。4日、北朝鮮の地雷挑発で始まった韓国政府の対北朝鮮拡声器放送の再開と、北朝鮮の戦争危機感造成で韓半島の状況が各国メディアの関心を集めた。

 以後にも予想できないことが展開した。南北高官接触が行われて、一定の成果を出したのだ。南北は持続的な対話と離散家族対面問題まで議論した。現在としては「合格点」という評価が多い。

 韓国外交のまた別の軸として認識された日本との葛藤も合格点をとったようだ。安倍晋三首相の談話は慰安婦問題などに謝罪表現がなかったものの、「以前の政府の歴史関連談話を継承する」という内容のために、「満足する訳には行かないが、それ以前に比べては改善された」という評価が出ている。

 特に米国の見解がそうである。最近の状況展開に米政府は安堵している。オバマ大統領が夏休暇中にもブリーフィングを受けながら、韓半島状況を鋭意注視していたという。一連の韓半島外交折衝戦で「見えない手」として行動した米国が一息ついたということだ。

 米政府は安倍談話発表直後、直ちに「肯定」あるいは「合格」と解釈されるプライス国家安保会議(NSC)報道官の声明を出して国際社会に信号を送った。米外交界の高官は安倍談話を見守る各国に、「『満足する訳には行かないが、不合格水準ではなく、この程度ならば良かった』というメッセージを世界に投げたもの」と解釈した。

 南北高官会談も韓国政府だけの判断でやったわけではない。韓米連合訓練が行われており、両国の高官が毎日意見のやりとりをしたことは言うまでもないことだ。

 9月初めの朴大統領の訪中と抗日戦勝利70年式典閲兵式出席も同じ次元で考えてみることができる。米国が朴大統領の訪中に対しては、「韓国の立場を理解」することで整理したというのが韓国政府高官の解釈だ。

 米政府高官は、「日本が米外交の重要な軸のように、韓国の立場で中国の役割を無視するのが難しいという点を理解する」とした。相手国の外交既得権を認めるほかはないということと解釈され、韓国が一本取った格好だ。

 予定された韓米首脳会談など下半期に続く外交折衝戦にこうした基調が反映されなければならない。われわれも北朝鮮に対する優先権など、「韓国の既得権」を認められる構図を米国・中国・日本などの理解と協力で作り出さなければならない。

(朴ジョンヒョン・ワシントン特派員、8月31日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。