韓中協力は北朝鮮に焦点合わせて


国紙セゲイルボ

西方に偏る「一帯一路」構想

 韓国の「ユーラシアイニシアチブ」と中国の「一帯一路」構想。両構想はユーラシア大陸を経略して経済発展を実現し、影響力を向上させるための試みという点で共通性を持つ。

 しかし、中国の一帯一路構想がアジアインフラ投資銀行(AIIB)の成功的スタートなどで本格化しているのに対して、ほぼ同時期に提案された韓国のユーラシア構想は具体的計画や進展がない。

 進展できない最も根本的な原因は北朝鮮が呼応しないためだ。南北を繋(つな)ぎ、大陸との連携を回復するためには北を動かさなければならない。それがなければ、同構想は今後も進展せず、中国との協力も空念仏に終わる可能性が大だ。

 中国との協力には多くの長所も存在する。経済的には莫大な資金を要する北朝鮮のインフラ構築と経済発展に援軍を得られる。AIIBやシルクロード基金の対北投資を引き出すだけでなく、中国と国際機構を介入させることで、北朝鮮の測定不可能性や変動性も減じることができる。

 政治的には開放に対する北朝鮮の警戒を緩和させられる。中国が韓国とともに北朝鮮の開放を説得すれば、吸収統一に対する北の警戒を和らげるのに役に立つだろう。

 しかし現実は容易でない。中国の官僚と専門家たちは、韓国に中央アジアでの協力を期待する。ユーラシア構想が中国よりロシアとの協力に集中しているという認識を反映したものだ。

 半面、中国の参加者は、一帯一路の焦点が西方地域に偏っており、東方地域に対する関心が欠如しているという筆者の指摘を否定しながら、北朝鮮開放を誘導するための構想や韓国との協力意思の有無については言及しなかった。

 これは韓国が中国に協力できる可能性が大きくないことを示している。換言すれば、中国が北朝鮮の呼応を引き出すために積極的に動き、韓国がそれに便乗して、北朝鮮の呼応を引き出す可能性は大きくない、ということだ。

 それならどうすべきか。答えは明らかだ。韓国政府自身が北朝鮮の呼応と変化を誘導し、それに中国が参加するよう積極的に働き掛けるということである。そうすることで、北朝鮮問題における韓国の中国依存度も緩和できるはずだ。

(金材澈〈キムジェチョル〉カトリック大教授・国際政治学、7月17日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。