相次ぐ北朝鮮崩壊シナリオ 周辺国などの責任区分が必要


韓国紙セゲイルボを読む

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10月に「戦死」したとされる海軍兵士らの墓を訪れた北朝鮮の金正恩第1書記=1日、朝鮮中央通信配信(EPA=時事)

 最近になって韓半島統一を論じる外国ニュースがしばしば目に触れる。「米中、北朝鮮崩壊対応責任区域、あらかじめ決めなければ」「北朝鮮前兆なしで突然崩壊の可能性大」「北崩壊時、米中新38度線引く」「北崩壊時、中国が寧辺核施設引き受けの可能性」「北崩壊『可能性』でなく『いつ』が焦点」「中国、韓国の北吸収統一受け入れも」等々。

 統一はますます具体的で現実的なシナリオに進化中だ。露紙ロシスカヤ・ガゼータは先月、「北朝鮮崩壊の可能性と対応案」という米ランド研究所報告書を引用して、「指導者の急死や内戦などで、北朝鮮政権が突然崩壊する可能性がある」と報じた。韓国、米国、中国はあらかじめ予想シナリオを作って、責任区分を設定する必要があるという内容だ。同紙はまた「新38度線」をめぐり米中間で秘密交渉が進行していると伝えた。

 香港紙明報は「韓半島急変事態対応」というコラムで、「北朝鮮が突然に崩壊すれば、韓国が抱き止める力がなく、大混乱が発生する」とし、「中国は周到綿密な対策を立てて、北核兵器流失と難民発生に徹底的に備えなければならない」と強調した。

 状況発生時、人民解放軍1個旅団を寧辺核施設に投じて掌握し、豆満江河口を防いで、米日潜水艦侵入を遮断しつつ、1個旅団を新義州に進駐させ、難民の中国流入を防ぎ、海兵隊で天津・山東半島と近い黄海道長山串を占領しなければならないという具体案も提示している。

 成暁河中国人民大国際政治学科教授は先週ある学術会議で、「韓国が統一代価の責任を負い、中国が韓半島で引き続き利益を得ることができるなら(韓国が主導する)ドイツ式統一も受容される」と述べた。韓国主導の吸収統一に賛成するという驚くべき話を中国学者が公開で明言したのだ。

 韓半島統一に障害物あるいは踏み石になる周辺国家の動向も肯定的だ。6月に開かれた米中首脳会談でオバマ大統領と習近平主席は北朝鮮の核を認めないといい、習主席は韓中首脳会談でも、「北朝鮮の核保有と追加核実験に反対する」という立場を明確にした。

 体制崩壊の信号弾と評価される北朝鮮外交官の亡命事件も炸裂(さくれつ)した。

 ここ1、2カ月間に韓国を中心に韓半島周辺情勢が光速で急変している。問題は国際法上、北朝鮮崩壊以後、韓国主導の統一シナリオが容易ではないという点だ。1991年、南北同時国連加入を契機に、北朝鮮も国際社会で国家と認められているためである。

 北朝鮮が崩壊すれば一番最初に国連が入る。核・ミサイルなど大量破壊兵器流出、金正恩異変、クーデター、大規模脱北事態など、北朝鮮急変事態に備えた「作戦計画5029」発動以後の韓米間の北朝鮮に対する認識の差も問題だ。北朝鮮が韓国には未修復地域であっても、米国には国連加盟国の領土という認識だ。

 最も重要なのは朴大統領の外交力だ。幸い朴大統領は統一のカギを握っているオバマ大統領、習主席と親密である。さらに決定的瞬間に重要な役割を果たす国連事務総長も韓国人潘基文(パンギムン)だ。国運があるという兆しだ。

(趙貞鎮〈チョジョンジン〉論説委員、10月31日付)