北東アジアにも安保対話の常設機関を


韓国紙セゲイルボ

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ウィーン・ホーフブルク宮殿で開催された欧州安保協力機構(OSCE)首脳会議(2005年)=Creative Commons/Mikhail Evstafiev

 欧州安保協力機構(OSCE)は第2次世界大戦後、東西冷戦真っ最中の1975年、欧州安保協力会議(CSCE)としてスタートし、今年40周年を迎えた。

 ドイツ統一、東西冷戦の終息に大きく寄与したと評価され、57カ国を会員とする世界最大の地域安保機構で、欧州内の紛争防止と平和維持の根幹になっている。アジアでは韓国、日本、豪州、タイ、アフガニスタンが協力パートナー国として参加している。

 OSCEの限界と無力感を吐露する論理もある。特に昨年のウクライナ事態がしばしば議論される。機構が積極的に介入したものの、解決できないということだ。

 しかし、事実上、戦争状況に直面している当事国がこの機構の会議場でほとんど毎日対話を継続する姿はわれわれにも示唆するところが大きい。

 韓半島統一のためには当事国の南北韓対話が核心となる。周辺国の協力と支持を確保するのも大変重要だ。北東アジアにOSCEのような機構があったとすれば、われわれは常に統一を念頭に置いて周辺国と協力を強化する場として活用するだろう。

 韓国政府が提案した「北東アジア平和協力構想」が良い評価を受けている。同構想はOSCEよりはその前身のCSCEと似ている。予測不可能の北東アジア情勢の中で、関連国間対話の習慣を定着させて、共同利益を創り出そうとする努力だ。

 欧州人は先の世紀に2度も体験した世界大戦の教訓を土台に構築した安保対話の有用性が北東アジアでも通じることを望んでいる。

(宋永完〈ソンヨンワン〉駐オーストリア大使、5月27日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。