“韓食ブランド化”には明確な原則と規格化を


韓国紙セゲイルボ

 旅行記者として全国を回って感じるのは「韓国も広い」ということ。各地に特色のある食べ物があるからだ。しかし、惜しいことにそれらはあまり知られていない。名品の確固たるイメージがないためである。

 例えば忠清南道公州では店ごとに独特の味と個性のカルグクス(うどん)に出合うことができる。だが人に「公州のカルグクスはこうだ」と説明するのは難しい。馬山はアンコウ、フグ、ウナギなどで有名だが、全国どこにでもあるアンコウ鍋と馬山のアンコウ鍋の差を明確に言うことは容易ではない。

 観光時代を迎え、地方自治体が競って地域特産品を観光商品化した。だが、地域の風土と人々の精神を食品ブランド化するのに成功したところはほとんどない。

 永い歳月をかけて自然にブランドを確立した「全州ビビンパプ」「安東ククス」「釜山ムギイワシ」を見れば差は歴然としている。全州ビビンパプを食べながら、全州の香りを感じる時、旅がさらに深く刻印される瞬間だ。

 韓食をブランド化しようとするなら明確な原則と規格化が要求される。全州ビビンパプには「ファンポムク(緑豆をゼリー状に固めたもの)」が必須なように、確固たるブランドを持った食べ物には定立された原則がある。

 欧州などでは韓食が健康食品として脚光を浴びている。韓食を世界化できる良い機会で、これをよく活用すべきだ。韓国には旨(うま)い食べ物が多い。

(ソ・ピルン文化部記者、5月28日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。