政権崩壊にもつながる北朝鮮の“恐怖政治”


韓国紙セゲイルボ

 北朝鮮人民武力部長玄永哲(ヒョンヨンチョル)が4月30日、処刑されたように、金正恩(キムジョンウン)執権4年にもなって恐怖政治を敷いている理由は何か。元老除去、金正恩1人独裁体制構築、忠誠競争誘導などが考えられる一方で、金正恩の権力がまだ脆弱(ぜいじゃく)なため、潜在的挑戦勢力を除去するということもあり得る。
 いずれにせよ恐怖政治は南北関係と核問題の解決には決して役に立たない。交渉担当幹部が粛清を恐れて交渉が硬直したり、軍部の忠誠競争から対南挑発につながるからだ。

 北朝鮮エリートは金正恩を怒らせるような提案はしなくなり、危機に直面すれば反対勢力を糾合して、金正恩の権力に挑戦することもあり得る。

 恐怖政治が続けば核心エリートの忠誠心弱化につながる。高位幹部の大量脱北、金正恩暗殺またはクーデター、最悪の場合、内戦や政権崩壊につながることもある。

 従って、韓国はあらゆる事態への対策を整備しておかなければならない。北朝鮮を変化させる努力を継続する一方、内部不安からの急変事態への対応、大量脱北難民の発生、緊急な人道的支援が必要な状況の発生や内戦、対南武力挑発の可能性も視野に入れておかなければならない。

 金正恩が生存する唯一の道は恐怖政治でなく改革と開放であり、北朝鮮住民の生活苦を解決して非核化を実現し、南北関係を改善するところにある。

(具本學〈クボンハク〉翰林国際大学院大副総長・国際政治学、5月22日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。