インターネット上で「サイバー亡命」騒動
韓国紙セゲイルボ
最近、韓国政府が国民のインターネット上のコミュニケーションへの統制を強化するというメッセージを出し、国民が最も多く使うメッセンジャーサービスの「カカオトーク」がその対象となってマスコミを騒がせている。
国民の間では暗号化と保安性の優れた「テレグラム」という外国サービスが人気を得始め、「サイバー亡命」と言われるほどの事態になった。これは単純なカカオトークの保安問題でなく、過去にはそれほど敏感に反応しなかった「ネット上での自由」に対して、韓国民が鋭敏に反応した結果だ。韓国社会の価値観が個人の表現の自由とプライバシー保護を要求し始めたといえる。
インターネットは「開放と共有」を土台に自律的に動くものであるのに、世界的に国家の関与が露骨になってきつつある。
2013年11月、英紙ガーディアンはブラジル、ドイツ、インドなどが独自通信網の構築に乗り出し、インターネットが地域単位に割れる可能性があると報じた。中国政府はインターネット監視のために数百万人の人員を動員して、インターネットを検閲しており、全世界の数多くの人が憂慮を示し、非難の声を上げている。
その憂慮の対象に韓国が含まれるということはとても悲しいことだ。もちろん、安保や犯罪を防ぐための目的で正当に執行されるよう法を変えろということはできない。
正当な目的なしには国家が国民を監視しないという信頼が醸成されなければ、自由を求めて離れていく第2、第3のサイバー亡命事態が引き続き発生する可能性は大きい。
(鄭智薫〈チョンジフン〉慶熙サイバー大教授・未来学、10月23日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。