日本のような堅固な基礎科学の根元を
韓国紙セゲイルボ
今年のノーベル物理学賞に3人の日本の学者が選ばれたというニュースを、筆者はイタリアのトリエステで行われていた国際理論物理研究所(ICTP)の創立50周年行事の席で聞き、集まった約300人の参加者らと祝いの拍手を送った。
その3人は、赤崎勇名城大学終身教授と天野浩名古屋大教授、そして米カリフォルニア大学の中村修二教授である。彼らは20世紀中には不可能だとされていた青色発光ダイオード(LED)を開発して「光の革命」を成し遂げた人々だ。
赤崎教授は、「流行する研究に没頭せずに、自身がしたいことをすることが最高」と語った。基礎科学の種を広く撒(ま)いて、底辺を拡大し、科学者が自分だけの研究に集中できる環境を作ることがノーベル賞の土台になる。
筆者が所長を務めるアジア太平洋理論物理センター(APCTP)も18年前、ICTPに影響を受けたアジア太平洋圏の先駆的物理学者らの夢が実現し、韓国に本部を置くことになった。
APCTPは韓国とアジア太平洋圏の理論物理学分野の若いリーダーらの“オアシス”になって、2年後に迎える「成人式」を巨大なファミリー祝祭として行い、そのうち、誰かがノーベル賞をもらうのに一助となればよい。
堅固な基礎科学の根元を持つからこそ、日本はさらに3人の物理学賞受賞者を加えた。ノーベル賞に王道はない。粘り強く若い研究者の夢を育てながら、後日を約束しなければならない。
(金昇煥〈キムスンファン〉ポステック教授・アジア太平洋理論物理センター所長、10月8日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。