絡まった韓日関係の解き方、首脳会談と慰安婦の分離対応


韓国紙セゲイルボ

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日米韓首脳会談の機会に握手する安倍晋三首相(左)と朴槿恵韓国大統領。中央はオバマ米大統領=3月25日、オランダ・ハーグ(EPA=時事)

 韓日関係にも「本当に良い時期」があった。両国関係が絶頂だったのは1998年10月8日、金大中(キムデジュン)大統領・小渕恵三首相の「21世紀新しい韓日パートナーシップのための共同宣言」が出された時だ。

 同宣言は日本軍慰安婦を認めた93年の河野談話と過去の侵略史に対する謝罪と反省を入れた95年村山談話に基づく。これより一歩進んだのが両首脳の共同宣言だった。

 それから16年、両国は文化的、人的交流は増えたが、他の分野ではむしろ後退している。両国関係がこのように絡まったのは日本の責任が大きい。今になって河野、村山談話を否定するなど、過去の侵略史に対する逆回りの歩みを見せているためだ。

 さらに深刻なのは安倍晋三政権が考えを変える兆しがないという点だ。安倍政権は、日本は既に韓国政府に何度も謝罪を行ったし、賠償も既に終わらせた問題だという。65年の韓日基本条約の締結で、すべての問題を決着させたということだ。

 韓国の立場で見れば悲嘆に暮れることだ。韓半島と北東アジア情勢を考慮すれば論議の余地はあるが、われわれがむしろ先制的対応をする必要がある。

 韓国政府でも若干の基調変化があるように見えるが、これは外部状況に受動的に引きずられた現象だ。北朝鮮と日本が拉致問題で接近し、日本が日中首脳会談を推進すると、韓国が外交的孤立状態に置かれるという不安感が対日接近法を変えているといっても過言ではない。

 では、どのように解けばいいだろうか。首脳会談と慰安婦問題の分離対応だ。安倍首相はこの前、森喜朗元首相を前面にして、「秋に会いたい」という親書を朴槿恵(パククネ)大統領に伝えた。相手が求めている側であるから、われわれがあえて条件を付ける必要はない。

 慰安婦問題は短期的に解決される問題でない。両国がソウルと東京を行き来しながら、4回会談を行ったが進展がない理由だ。それなら、どうすべきか。戦略的マインドが必要だ。慰安婦問題を、女性の人生を踏みにじった女性人権の問題として扱う方がはるかに効果的で現実的だ。

 来年は韓日国交正常化50周年、光復(植民地解放)70周年だ。韓日関係復元は火急なことだが、遠くを見据えなければならない。金大中・小渕宣言をどのように、どんな方式で継承するのか、中長期的見識の戦略的接近が必要な時だ。

(オク・ヨンデ論説委員、10月1日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。