オンライン上での検察捜査の危うさ


韓国紙セゲイルボ

 最近、検察のオンライン上の悪意の虚偽事実流布に対する一罰百戒式の積極的な捜査方針が少なくない憂慮をもたらしている。しかも朴槿恵(パククネ)大統領に対する冒涜的発言が問題になった直後、専門担当チームを作ったことは国民の憂慮を増幅させている。

 その結果、検察のインターネット検閲に対する危機感が醸成され、スパイ事件や統合進歩党に対する違憲政党解散審判などと連結させて、公安政局化させており、そのことに疑問も提起されている。

 虚偽事実流布に対する検察の強力な捜査意思の表明は、むしろ捜査の客観性と公正性に対する信頼を傷つけている。

 何もオンライン上の虚偽事実流布などの不法行為を見過ごせということではない。その基準が明確でなければならず、手続きと方法が納得できることであるべきで、何より捜査の目的と結果が国民の共感を得られなければならないということを言っているのだ。

 ひたすら捜査結果で犯人検挙実績を測る時代は過ぎた。その捜査がなぜ必要で、なぜこの時点にこういう方式で捜査するのかを国民に納得させることがより重要になったのだ。

 虚偽の事実を悪意的に流布する行為は法的に規制されることは当然だが、虚偽事実の流布を効果的に根絶させるためには、強力な捜査よりは公正な捜査に対する信頼を得ることがより重要だという点を、検察が正確に認識することを願う。

(張永洙〈チャンヨンス〉高麗大法学専門大学院教授・憲法学、10月1日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。