「日本は沈む太陽」は早計


韓国紙セゲイルボ

韓国の中国偏重の外交に憂慮の声

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7月3日、ソウルで、彭麗媛夫人(左)を伴い訪韓した中国の習近平国家主席(中央)を迎える韓国の朴槿恵大統領(EPA時事)

 韓国外交の中国偏重現象に対して憂慮する声が少なくない。中国偏重という言葉の中には米国との関係よりは、特に日本との悪化を内包している。

 日本は「沈む太陽」であり、中国は「昇る太陽」だというが、これは早計だ。日本の強大な文化能力が一日で消えないように、中国の文化能力が総合的に一日で世界の先進国になることはできない。

 韓国人は不思議と中国には事大したり過大評価しながら、日本は侮ってみたり過小評価する文化的傾向があった。これは日本植民地時代のコンプレックスの発露ながら、同時に朝鮮中期まで日本に先進文化を伝えた文化恩恵授与者としての自尊心が二重的に作用したためだ。

 問題は日本の近代文化能力に対して、韓国人がよく知らずにいるという点だ。近代西欧文明を先に受け入れた日本は彼らの手で翻訳して土着化させ「アジアの欧州」として先進国を謳歌(おうか)した。

 韓国と中国が今日使っているすべての近代的文化技術用語は日本が翻訳したもので、漢字文化圏の文化総量を土台に西洋近代文明を解釈して、自身のものとして作ることに成功した国家が日本だ。

 日本がたとえ敗北したとはいえ、世界最高先進国家の米国と太平洋戦争を遂行した国だ。100年前にすでに自身の独自の哲学と文化のインフラを構築した。科学者は毎年ノーベル賞を受賞している。

 北東アジアは現在、経済・貿易ではより一層相互依存度が増している半面、政治・イデオロギー的には摩擦を起こしている。これを「アジアパラドックス」と言う。

 アジア太平洋時代の二つの中枢国家である日本と中国は覇権競争中だ。その間に韓国がある。韓国が過去のように思わしくない国力ならば、明確に強大国の闇取引の犠牲になる。しかし、韓国の国力も今や世界10~15位に属する。そのために韓国のテコとしての役割がかつてなく重要なのが事実だ。

 こうした時に日本でも、中国でも、米国でも、どちらか一つの国に雪崩(なだ)れていく現象は禁物だ。バランスを取る時、周辺国から国益を守ることもできる。外では勢力均衡の中心的役割をしながら、中では南北統一を達成しなければならない絶体絶命の危機と機会がわれわれの手に懸かっている。

 戦争と平和は皆それ相応の理由があった。重要なのは平和を維持した時の指導者は賢明だったという事実だ。過去の戦争と支配による怨讐(おんしゅう)関係を記憶するよりは、未来の共生と平和達成のために努力することが今日の指導者の任務だ。

 来年は韓日国交正常化50周年だ。両国の政治指導者は、双方の国家発展のための努力を傾注しなければならないだろう。

(朴正鎮〈パクジョンジン〉客員論説委員・文化評論家、9月16日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。