ベトナム戦派兵50周年行事 自制要請に韓国政府が苦慮


韓国紙セゲイルボ

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1965年10月に韓国軍戦闘師団としては初めて海外に派遣された猛虎部隊(韓国・護国追慕室ホームページから)

 今年は韓国軍のベトナム戦派兵50周年を迎え、公式行事を準備中の韓国政府がジレンマに陥っている。ベトナム政府が最近、韓国政府の公式行事開催にブレーキをかけたからだ。

 政府関係者は9日、「今年は国軍のベトナム戦派兵50周年を迎える年で、報勲処と外交部中心に50周年行事を準備中」のところ、「最近、ベトナム政府から外交経路を通じて、韓国政府の公式行事を自制するよう要請してきており、苦しい立場だ」と明らかにした。

 ベトナム政府は韓国軍のベトナム戦参戦を取り上げる場合、両国間の経済と文化交流に否定的影響を及ぼしかねないという点を問題にしているという。

 同関係者は、「参戦した兵士と軍の士気を無視できず、関連部署で行事推進主体と性格を決めるのに苦労している」と伝えた。現在、報勲処内にはベトナム戦参戦50周年行事開催について、別途タスクフォースが組まれている。

 国軍のベトナム戦派兵は韓米同盟がより一層強固になり、軍の現代化と高度経済成長の踏み台になったという点で少なくない意味を持つ。だが、枯れ葉剤後遺症のような参戦軍の被害、米国の「傭兵(ようへい)」として参戦したという見解など、否定的論議も絶えず、政府主管行事の制約になっている。

 1992年末の韓国ベトナム国交正常化当時、ベトナムが「過去を埋めて、未来志向的関係発展のために協力」することで、韓国政府と合意した点も負担だ。

 政府では韓ベトナム自由貿易協定(FTA)締結を目前にしている状況も、念頭に置かなければならない。両国貿易規模は22年間で40倍以上増え、ベトナムは東南アジアからシンガポール次ぐ大きな韓国輸出市場になった。

 報勲処関係者は、「4月、米国のベトナム戦参戦記念行事を見守った後、7月か9月中に、政府行事を行う計画」とし、「傷を癒やして未来に向かう両国の姿を見せるために、戦争の記憶よりは『ライタイハン』(韓国兵士とベトナム女性との間に生まれた子供)や多文化(韓国人と結婚したベトナム人妻など国際結婚)に焦点を合わせることもできるだろう」と話した。

 だが、ベトナム戦参戦戦友会などは政府主管行事として参戦兵士の犠牲を弔うことを願っており、行事開催過程で陣痛が予想される。

 ベトナム戦争には1964年から73年まで8年6カ月間、「猛虎」「白馬」「青龍」部隊の総8戦闘部隊、延べ31万2853人が派兵され、4960人が戦死し、1万962人が負傷した。

(1月10日付)