仏革命記念日に抗議デモ


EU首脳らパレード観閲後に

 【パリ安倍雅信】フランス革命記念日恒例の軍事パレードがパリで14日に行われ、マクロン仏大統領、メルケル独首相、ルッテ・オランダ首相など欧州連合(EU)主要国首脳らが、欧州9カ国の軍代表を含む軍事パレードを観閲し、EUの結束を強調した。パレードはコンコルド広場から凱旋(がいせん)門に至るシャンゼリゼ通りで行われたが、式典後には抗議デモが発生し、警察とデモ参加者が衝突した。

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14日、デモ隊による放火で炎上するパリ中心部の路上で、消火に向け対応する警官隊(AFP時事)

 抗議デモでパレードを見に来ていた外国人観光客を含む一般観衆は当局によって避難させられた。フランスでは政府への抗議デモの黄色いベスト運動がエスカレートしたことから、凱旋門からシャンゼリゼ通りにかけてはデモが禁止されているが、この日は、シャンゼリゼ通りに乱入したデモ隊を排除するため催涙ガスが使用された。

 デモ隊は、侵入を防ぐために設置された防護壁を破壊し、簡易トイレや通りのごみ箱に放火し、通りのあちこちで火の手が上がった。デモ隊の中には毎週土曜日の反政府抗議デモの黄色いベスト運動参加者をはじめ、デモの混乱に乗じて破壊行為を行う暴力集団なども見られた。仏内務省によれば、180人が拘束され、マルセイユやリヨンなど全国で282人が身柄を拘束され、249人が拘留中だ。