ストラスブールのテロ、仏警察が容疑者を射殺


 フランス北東部ストラスブールのクリスマスマーケットで11日夜、銃を乱射し、刃物を振り回し3人を殺害、14人を負傷させたテロ犯のシェリフ・シュカット容疑者(29)が13日夜、捜査中の警官によって射殺された。シュカット容疑者は窃盗などで20回以上の犯罪歴があり、イスラム過激思想を持つ危険人物としてテロ対策当局の監視対象になっていた。

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13日、仏ストラスブールで、銃乱射テロ事件のシェリフ・シェカット容疑者が射殺された現場近くを調べる警官ら(AFP時事)

 テロ事件を受け、15日に予定されている黄色いベスト運動の5回目の抗議デモについて、いくつかの主催グループはデモに参加しないことを決め、地元で道路封鎖などの抗議運動を継続するとしている。各政党の政治家もデモの自粛を呼びかけている。カスタネール内相は、デモを自粛し、テロの犠牲者に哀悼を示すべきだと述べた。同内相は、今回のテロの背後捜査ですでに容疑者の家族を含む5人の身柄を拘束したと説明。国家警察や憲兵隊は、クリスマスの時期を狙ったテロを阻止するため、全国すべてのクリスマスマーケットで警戒態勢を敷いただけでなく、黄色いベスト運動の暴徒化を防ぐための準備を進めている。

シュカット容疑

シュカット容疑者(EPA時事)

 カスタネール内相は、ラジオインタビューで「わが国は、テロと騒乱に対して同時に完全に対応する能力を備えている」と説明。ただ、週末の抗議デモの暴徒化を防ぐことより、テロの阻止により多くの人員を割きたいのが本音だとも述べた。一方、警察官組合は「われわれは限界に達しつつある」と述べている。

 フランス政府は、今週末もパリなどで抗議デモが行われる可能性があり、届け出を行った正当な抗議デモには耳を傾けるものの、デモに紛れて極右や極左、ギャング集団が商店を破壊し、暴力行為を行うことに対しては厳しい姿勢で臨むとしている。