仏経財相「経済問題は天然ガスのみ」


露の送金・決済排除要求

ガスタンク

 ロシア軍がウクライナの首都キエフの占領に動く中、ルメール仏経済・財務相は、ヨーロッパに影響を与える可能性のある「唯一の実体経済の主題は天然ガスだ」と主張した。ウクライナへのロシア軍の侵攻から2日後、軍が首都キエフを占領しようとしている間、欧州連合(EU)の議長国フランスは決定的な効果のある経済制裁を模索している。

 ルメール氏は、「西側による制裁の結果は民間企業に限定され、あまり公開されない」と強調する一方、天然ガスに関しては「価格高騰ではっきりと分かる。ロシアは石油の価格にそれほど大きな影響を与えない一方、ロシア製天然ガスへの依存度の高い欧州、特にドイツは高く、必然的にEU経済に影響が生じる」と出演した仏TV番組で26日、警告した。

 一方、「フランスは国際銀行間の送金・決済システムの運営主体(SWIFT)からロシアの金融機関を排除する措置を要求している」と述べ、「仏政府は欧州のパートナー国を説得する必要がある」と述べた。一方、「(SWIFT排除すれば)ロシアのガス供給への支払いができなくなることを意味し、明らかに大きな賭けだ」と述べた。

 ロシアが欧州への天然ガス供給が困難になった場合、「ロシアは中国に目を向けるとの見方があるが、中国が欧州から得ているロシアの経済的利益の埋め合わせをすることは考えにくい」として、SWIFT排除の「効果を確信している」と語った。フランスはロシア製天然ガスの依存度は2021年時点で24%なのに対して、ドイツは49%、イタリアは46%と高い。

(パリ・安倍雅信)