EU、3月末に中国と首脳会談 リトアニアへの圧力を非難


14日、フランス西部ブレストで記者会見する欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表(外相)(AFP時事)

 欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表(外相)は14日、3月末に中国との首脳会談を開催することを明らかにした。台湾の代表機関を開設したリトアニアに対して中国が貿易圧力を強めており、対中政策をめぐって明確なメッセージを伝える予定だ。

 リトアニアは、他のほとんどの国が「台北」という名称を使用している中、「台湾」と銘打って昨年11月に代表事務所を開設した。正式な外交関係を持つことを意味するわけではないが、双方が関係を深めるサインと受け止められている。中国は猛反発し、リトアニアからの輸出品が中国の税関を通らなくなっており、他のEU加盟国から中国への輸出にも影響が出ている。

 リトアニアの輸出のうち中国向けは1%にすぎず、当初、影響は極めて限定的にみられた。しかし、サプライチェーン(供給網)の寸断が起きており、EUは「極めて悪質」と中国に対し不快感を示している。

 EU議長国フランスのルドリアン外相は同日の記者会見で「リトアニアへの完全な連帯を確認し、中国の威圧的な行動を非難する」とリトアニア支持の立場を正式に表明した。

(パリ 安倍雅信)