独首相 オミクロン株緊急対策案 28日から接触制限実施へ


ショルツ首相

 ドイツのショルツ首相は21日、ベルリンで新型コロナウイルスの変異株オミクロン株の感染拡散に備え、緊急対策案を発表した。クリスマス開けの28日から施行される同案はロックダウン(都市封鎖)は避ける一方、「接触制限の拡大」を求めている。

 ショルツ首相は16州の首相たちと会談し、緊急対策を協議した後、ベルリンで記者会見を開いた。同首相は「英国、デンマークなどで拡大するオミクロン株がドイツで拡大する前に緊急に対応策を練る必要が出てきた。可能な限り、接触を制限していかなければならない」と述べた。

 具体的には、ワクチン接種完了者と回復者も私的な会合は最大10人まで(非接種者は2人まで、14歳以下は制限に入らない)。大規模なイベントは観客なしで開催しなければならない。クラブやディスコは閉鎖され、ダンス、パーティーは禁止される。慣例のシルベスター(大晦日)のパーティーやイベントは実質的に禁止される。

 これらの緊急措置は28日を期して発効される予定だ。ただ、同措置がいつまで継続されるかは不明。

 オミクロン株はデルタ株より感染力が強く、従来のワクチン接種の有効性が弱まるとの懸念が聞かれる。そのため、ドイツ政府は国民にブースター接種を呼び掛け、ワクチン接種率80%を目指していく考えだ。ドイツでは22日現在、ワクチン接種完了率は70・4%だ。そのためショルツ首相は「ワクチン接種の義務化も排除できなくなる」という考えを示唆している。

(ウィーン 小川敏)