新型コロナウイルス

　フランス内務省は２０日、この夏に導入された新型コロナウイルスのワクチン接種を証明する衛生パスについて、これまでに偽装が１８万２０００件確認されたとする報告書を明らかにした。先週金曜日には、現在、約１１万件の偽の健康パスが流通しているとも報告していた。

　ダルマナン仏内相の側近によると、先週、警察と憲兵隊に対して取り締まりを強化するよう指示したことを明らかにした。また、偽造パス所持者と犯罪組織の摘発で、約１００人の身柄を拘束したとしている。仏メディアは同件の捜査当局の話として、約５０００件から１万件の偽造パスを販売し、約２００万ユーロ（約２億６０００万円）の利益を得ていたとしている。

　衛生パスの偽造には、保健衛生当局のデータベースへのアクセスが必要で、医療関係者、薬剤師、同パス発行業務に関わる職員などの関与が指摘されている。偽造パス急増に直面する警察および憲兵隊当局は、デジタル捜査を強化し、ネットでの偽の予防接種証明書の購入や第三者に割り当てられたＱＲコードの不正使用などを徹底捜査しているという。さらに偽造パスを提供する医療関係者やパス管理エージェントなども捜査対象として追跡している。

（パリ　安倍雅信）