オーストリア ネハンマー新首相が就任


コロナ対策が優先課題

ネハンマー氏(AFP時事)

 オーストリアのベレン大統領は6日、カール・ネハンマー氏(49)を新首相に任命した。クルツ政権下で内相を務めてきたネハンマー氏は、クルツ氏の政界引退、シャレンベルク首相の辞任を受け、中道右派与党・国民党の党首に選出されたことで新首相に選出された。職業軍人、国民党事務局長、内相を務めたネハンマー氏は「法と秩序」の代表者と受け取られてきた。中東・北アフリカからの難民対策では国境の閉鎖、難民の強制送還などの政策を実施してきたことで知られている。

 ネハンマー新首相は、ベレン大統領との会談後、「われわれは現在、パンデミックの渦中にある。全力を投入してコロナ感染対策を実施していかなければならない」と、新政権の最初の課題としてコロナ感染対策を挙げた。

 過去56日間で、クルツ氏、シャレンベルク氏、ネハンマー氏の3人の首相が就任したことになる。そのうちシャレンベルク、ネハンマーの両氏は選挙の洗礼を受けていないことから、野党の極右・自由党は早期総選挙の実施を要求しているが、連立与党国民党、緑の党のほか、野党の社会民主党、ネオスは「選挙を実施している時ではない」と早期選挙に反対している。

(ウィーン 小川敏)