ギリシャ・エビア島、山火事で2000人以上避難


鎮火の兆し見えず

 ギリシャ南東部のエーゲ海に面したエビア島で3日に発生した山火災は鎮火の兆しが見えず、住民、観光客約2000人が船で島を脱出している。地元当局者は、有名なリゾートのビーチを含む島の一部がすでに焼失したとしており、消火活動に十分な支援が得られていないと報じられている。

 エビア島北部のイスティエアのコンツィアス市長は地元メディアに対して「もう手遅れ。壊滅的だ」と述べている。ギリシャでは30年間で最も激しい熱波に襲われており、気温は45度まで上昇している。最近、多くの山火事がギリシャを襲い、アテネ北部郊外の火災は収まったものの、エビア島では消火活動が続いている。

 エビア島では数千ヘクタールの土地と多くの家屋やビルが焼失し、空からの消火活動は煙により視界が遮られ困難を極め、鎮火の見通しは立っていない。高齢者の多くは8日、フェリーで島を脱出したが、残っている住民は煙や灰で呼吸困難に陥るなどしており、救助を求めている。

 仏メディアは、火災に襲われ、ビーチでフェリーを待つフランス人観光客が「ハリウッド映画を見ているようだ」「バカンスは台無しだ」と当惑している姿を報じた。

 すでにフランス、ドイツ、英国などがギリシャからの要請に応じて、消火活動や支援活動に参加している。消火に当たる軍は、火災が再発生する可能性を懸念しており、地域の巡回を続け警戒を強めている。これまでに8人が死亡し、数千人が家を追われた。