仏デモ 「健康パスは差別」と抗議、ワクチン接種には予約殺到
新型コロナウイルスワクチン接種をめぐる政府方針に抗議するデモが16、17の両日、フランス全土で起きた。一方、マクロン大統領が12日、インド由来のデルタ株感染拡大への対策を打ち出したことを受けて、ワクチン接種の予約が殺到、接種会場には長蛇の列ができている。
デモは、医療・介護従事者へのワクチン接種義務化、ワクチン接種や抗体検査終了を証明する「健康パス」の適用範囲拡大に抗議するもの。南東部の都市グルノーブル近くのランアンベルコールの接種会場と南西部ビアリッツ近郊ウルリューニュ村の診療所がデモ隊によって襲撃、放火された。
健康パスについては「差別になる」などの批判の声が上がり、17日には全土の大都市で、約10万人が街頭に繰り出した。
新規則を支持した議員に対する暴力と破壊行為も幾つか起きている。一方、バカンスを楽しみたい人々が健康パス取得のため、接種会場に詰め掛け、長蛇の列ができた。
政府に助言する専門家チームは先週、今後数カ月で感染第4波が来ると予想し、医療体制の逼迫(ひっぱく)に警告を発している。
(パリ・安倍雅信)